R&D設立拠点におけるビジネス環境

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近年、多くの外国企業が日本にR&D拠点を設立している一方で、R&D拠点を閉鎖する事例も散見される。設立事例を以下にまとめる。ドイツ系企業としては、顧客企業との連携が容易な日本で研究開発を行い、顧客企業のニーズを充足するための研究を行うためにBASFは、リチウムイオン電池の研究に特化したR&D拠点を日本に開設し、エボニックは、顧客である日本の自動車メーカー等が立地する日本に拠点を設けることにより、顧客企業のニーズに合致するR&Dを迅速に行い、バイエルは、日本で創薬ベンチャー等と連携して創薬ニーズの探索を行うため、京都大学内にサテライトオフィスを開設した。米国では、ジョンソンエンドジョンソンは、国内の医療従事者の知見を収集し日本やアジアのニーズに適合する製品開発を進めるため、キャタピラーは、油圧ショベルの開発拠点の能力を増強するため、センサータは、主要顧客である自動車メーカーのオフィスが日本に多いことを踏まえ、顧客企業との連携の容易さを考慮し、ボルボテクノロジーは、基礎研究分野の提携機会の豊富さや、補助金・税制優遇等のインセンティブの充実度を勘案して、フォルシアは、日本の消費者ニーズを反映した商品開発、顧客企業との緊密な関係構築を行うため、日本にR&D拠点を設立した。アジアの国では中国のハイアールは、日本での家電製品の基礎研究や大学や企業との共同研究を進めるため70億円を投資しR&D拠点を開設した。

閉鎖事例としては、日本市場における品質の要求水準の厳しさや医薬品関係の規制の複雑さを理由に日本市場から撤退したザイダスファーマ(インド)、業務統合の一環として新製品の企画や性能評価を行っていたエンジニアリングセンターを閉鎖したテレガードナー(ドイツ)などが挙げられる。

R&D拠点としての日本の優位性としては、外国企業のR&D拠点の立地場所として日本が選定される要因には、同業他社やサプライヤーとの提携機会の豊富さやR&D人材の質や数が挙げられ、顧客企業との連携の容易さや日本人消費者の嗜好性の把握の容易さ、インセンティブが活用できることも日本にR&D拠点を設ける理由となっている。一方で、外国企業がR&D拠点を閉鎖する理由として、日本で事業拡大・収益性が見込めないために撤退するパターンがある。また、組織再編や拠点集約化に伴い、R&D拠点を閉鎖するパターンもある。

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